断熱コラム

発泡ウレタンとグラスウールどちらをえらぶべき?

発泡ウレタンとグラスウール、どちらを選ぶべきか?

断熱材の比較と選び方のポイント

住宅の断熱性能を高めるために使われる代表的な断熱材として「発泡ウレタン」と「グラスウール」があります。どちらも長い間利用されてきた実績があり、性能や特徴が異なるため、選択に迷う方が非常に多いのが現状です。

断熱材は一度施工すると簡単には交換できず、住まいの快適性や光熱費に大きな影響を与える重要な要素です。本記事では、両者の特徴・メリット・デメリットを整理し、それぞれに向いているケースを解説します。

発泡ウレタンの特徴

発泡ウレタンは、現場で液体を吹き付け、その場で発泡・硬化させて施工する断熱材です。モコモコと膨らみながら隙間を埋めていくため、非常に高い気密性を確保できるのが最大の特長です。

メリット

  • 気密性が高い
    隙間なく充填されるため、外気や湿気の侵入を防ぎ、冷暖房効率が大幅に向上する。
  • 断熱性能が長持ちする
    経年劣化が少なく、長期間にわたって性能を維持しやすい。
  • 結露を抑制できる
    気密性が高いため内部結露が発生しにくく、建物の耐久性を高める効果もある。

デメリット

  • コストが高い
    グラスウールに比べると初期費用が高額になりやすい。
  • 耐火性に劣る
    燃えやすい性質があり、火災時に有害ガスを発生するリスクがある。
  • 施工後の改修に不向き
    一度施工すると硬化して建材に密着しているため、部分的に取り外すことが困難。床のリフォームや配管工事など、将来の改修時に支障になることがある。

グラスウールの特徴

グラスウールはガラスを繊維状に加工した断熱材で、マット状のシートを敷き込むタイプです。日本国内で最も普及している断熱材のひとつであり、コストと性能のバランスに優れています。

メリット

  • コストが安い
    広い面積を比較的低コストで施工できるため、コストパフォーマンスに優れる。
  • 防火性能が高い
    ガラスを主原料とするため燃えにくく、火災時の安全性が高い。
  • 遮音効果がある
    繊維状の素材が音を吸収するため、防音性能を期待できる。
  • 部分的な改修に対応できる
    マット状で施工されるため、一部を外して再利用することが可能。将来の床下リフォームや水回りの改修時に柔軟に対応できる。

デメリット

  • 湿気に弱い
    水分を吸収すると断熱性能が低下し、カビのリスクが高まる。
  • 施工精度に依存する
    隙間なく施工されないと性能を発揮できず、施工業者の技術によって効果に差が出やすい。

施工後の改修を考える場合

大きな違いは「将来の改修に対応できるかどうか」です。

発泡ウレタンは硬化して建材に密着するため、リフォームの際には剥がすのが難しく、再利用もできません。そのため、床の張替えや設備更新の際に施工部分を壊す必要があり、コストや工期が余計にかかることがあります。

一方で、グラスウールはマット状のため、必要な部分だけを外して後から再利用できます。将来的に水回りの配管交換や床下工事を考えている住宅では、グラスウールの方が柔軟性が高いといえます。

どちらを選ぶべきか?

両者を比較すると、選択の基準は明確になります。

  • 発泡ウレタンが向いているケース
    • 高気密・高断熱を最優先したい
    • 長期的に快適さを維持したい
    • 今後大きなリフォームの予定がない
  • グラスウールが向いているケース
    • コストを抑えたい
    • 火災リスクを考慮して防火性能を重視したい
    • 将来的にリフォームや設備更新を予定している

まとめ

発泡ウレタンとグラスウールは、どちらも優れた断熱材ですが、特性は大きく異なります。

  • 発泡ウレタンは「性能の高さ」と「長寿命」が魅力。ただし後のリフォームでは扱いづらい。
  • グラスウールは「コスト」「防火性」「改修のしやすさ」に優れるが、湿気対策や施工精度に注意が必要。

断熱材の選択は、「現在の住まいに求める性能」だけでなく「将来のリフォーム計画」も含めて考えることが重要です。

ひまわり断熱では、床下・屋根裏・内窓など幅広い施工に対応し、お客様の暮らしに合わせた最適な断熱材をご提案しています。調査やお見積りは無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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